近年、日本でも格安航空会社(LCC)と呼ばれる航空会社の進出が目立ってきています。海外では1970年代から既に見られていましたが、アジア圏では欧米などの地域ほど早い導入がなく、日本を含めたアジア圏への参入は最近になってから進められています。
格安航空会社は、基本的には文字通り安さが売りであり、安さを追求するためにさまざまな運航コストを下げる取り組みがされているのです。とにかくお得に旅行をしたい、そのためであれば多少の不便を許せる、という人にとっては飛行機を利用しやすい環境が整ってきています。
ここでは、格安航空会社(LCC)についてご説明します。
LCCとはどんな航空会社なのか?
格安航空会社「LCC」はLow Cost Carrier(ローコストキャリア)の略で、低費用の航空会社のことを指しています。従来の航空運賃とは一線を画す価格の安さが特徴となっていますが、その安さの秘訣は運航する上でのさまざまなコストの削減にあります。
コストパフォーマンスのいい機体を選択することからはじまり、空港内のやや不便な場所に手続き窓口を設置したり、燃料の無駄な消費を減らすために飛行機の運航の循環をよくしたりと、さまざまな工夫がされているのです。
また、乗客の立場から見て一番その差が顕著なのはサービスでしょう。格安運賃のため、乗客を目的地まで運ぶという点に重点を置き、従来の機内で行われるサービスをカットしたり、有料化したりしています。
メリットとデメリットを比較して選ぶ
安いものと高いものを比較するとき知っておかなければならないのが、価格が下がれば、サービスの質も下がるということ。
航空会社においてもそれは同じであり、削減されているコストの分、機内サービスの質が下がる傾向にあります。必要としない人にとっては無駄となるサービスを削減し、その分お手頃な料金が提供されているのが格安航空会社のメリット。そして、従来の航空会社よりもサービスや設備がシンプルであることがデメリットだといえるでしょう。
たとえば、格安航空会社では機内食サービス、アメニティや映画・音楽などの放送が有料とされています。従来の航空会社であれば無料で提供されるものですが、これは基本の料金にそれらサービス料が含まれているためです。また、座席が狭いという話も聞きますが、機体によってもその人の感じ方によっても変わってくるでしょう。
メリットとデメリットを比べて、家族旅行はゆったり従来の航空会社で、一人旅の際はお得に格安航空会社で、というように目的別で選んでもよいでしょう。
国内線と国際線
各国からの参入によって話題を集めるLCC。国外の航空会社からも国内線への参入がはじまっており、海外と共同で新たな会社を設立する動きもみられます。日本の会社だけでなく海外からも名乗りをあげるところがあり、今後値下げ競争が起こる可能性もあるでしょう。以下が代表的な日本のLCCですが、どの会社も国内・国際線の両方を保有しています。
・バニラ・エア
成田国際空港を拠点とし、沖縄、奄美大島。札幌などを中心に運航しています。また、韓国、台湾、香港への便もあります。
・ジェットスター・ジャパン
成田国際空港を第一の拠点、関西国際空港を第二拠点としています。日本航空やカンタス航空(オーストラリア)が出資したことでも知られており、国内11都市18路線に就航しているほか、香港への国際線が就航する予定です。
・ピーチ・アビエーション
全日本空輸株式会社、香港の投資会社ファーストイースタン・インベストメント・グループの企業、株式会社産業革新機構の3社などから出資を受けて設立されました。関西国際空港を拠点とし、北海道から沖縄まで日本各地に便を出しています。国際線としては韓国、香港、台湾があります。
このように、LCCは航空会社の新たな形として根付きつつあります。サービスの質、価格の安さ、どちらも捨てがたいものですが、状況やお財布の具合によって使い分けることで、非常に便利に活用することができるでしょう。
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