飛行機内は非常に乾燥しています。これは飛行機の性質上仕方のないことではありますが、乾燥は肌に大きな負担をかけますし、のどを痛めてしまう恐れもあるので、できることなら避けたいですよね。
また、飛行機は非常に密閉度の高い乗り物であり、中の空気は温度も湿度も一定に管理されています。電車のように頻繁にドアが開くこともありませんし、窓を開けて空気を入れ替えることもできないので、個人で乾燥対策をする必要があります。
ここでは、乾燥する飛行機内に適用するために必要なことについてご説明します。
飛行機の湿度を極端に下げているのは?
機内の湿度は約20パーセントに設定されており、一般的に快適な湿度が40パーセントだと言われているのに対し、かなり低い数字となっています。しかし、これはそうすべき理由があってのことなのです。
上空の気温は非常に低いものですが、客室内の温度は快適に過ごせる温度に設定されています。そのため、機内外に温度差ができることになり、湿度が高いと結露しやすくなってしまうのです。
また、飛行機は数多くの精密機器から成り立っていますし、機体自体も金属でできています。さすがに簡単に錆びることはありませんが、湿気によって酸化は徐々に進みます。それらが運航中に壊れたら、大惨事となる恐れもあるでしょう。そのような事態を防ぐために、飛行機全体の湿度を下げているのです。
飛行機での不快な症状
上記のような機内の乾燥により、肌が乾いたり髪がパサパサしたり、過剰に喉が渇いたりドライアイなどを引き起こしたりします。飛行機に乗ったことがある人であれば、多くの人がどれかひとつくらいは感じたことがあるのではないでしょうか。多少パサつく程度の症状や、短時間の飛行なら我慢はできますが、国際線などで長時間乗り続ける時にはつらく感じることでしょう。
飛行機の乾燥対策のポイント
飛行機に持ち込めるものには限りがあります。自分自身も荷物が多ければ面倒ですし、持ち込み用の収納スペースはそんなに大きくはありません。簡単に持ち込めて、乾燥に効果のあるものでの対策がベストとなります。飛行機内で快適に過ごすための便利グッズなども多く出回っているので、それらを上手く活用して快適に過ごしましょう。
・化粧品やリップクリームを使用する
髪や肌には水分と油分を与えることが大切です。湿度の低い場所では、水分補給だけ行うと、その水分が蒸発するときに本来持っている肌の水分まで取られ、よけい乾燥した状態になってしまいます。
化粧水で保湿をしたあと、油分で蓋をして水分をとどめておくケアが必要です。コットンに化粧水を染み込ませたタイプや、小ビンのコスメセットなどを準備しておくといいでしょう。また、唇にはリップクリームをつけましょう。
ただし、「液体物」の持ち込みにはさまざまな規制があるため、あらかじめ確認して、正しい方法で持参するようにしてください。
・マスクをつける
のどのケアにはマスクをするのが一番です。保湿効果が加わったタイプもありますが、普通のマスクでも、中に湿らせたガーゼなどを仕込むことで乾燥を防ぐことができます。マスクをしている口周りの乾燥にも効果的です。
・水分を小まめにとる、おしぼりによる加湿
水分をこまめにとることで、のどを乾燥から守ることができますし、体の内側から潤いを与えることができます。また、食事の際に配られたおしぼりをテーブルの上に広げて置いておくだけでも加湿ができます。
機体の保全のために必要なことなのだということを理解していても、飛行機内の乾燥はやはりつらいものでしょう。今回ご紹介した対策を参考に、機内で少しでも快適に過ごせるよう、しっかりと自己ケアをしましょう。
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